副住職日記
地域の歴史 ~供養塔参り~
今から約220年前の寛政4年(1792年)4月1日、
雲仙岳噴火に伴う大きな地震で、島原市・眉山が崩壊し
大量の土砂が有明海に流れ込み、津波が発生しました。
「島原大変肥後迷惑」と言われますが、有明海対岸の熊本と合わせ、
約15000人の死者が出たといわれる災害です。
その後、島原藩によって島原半島に7基の供養塔が建立されましたが
毎年1月に地元若手僧侶とともに、寒行を兼ねて慰霊行脚を行っていました。
今年は、それぞれ予定が合わなかったので、命日である4月1日に
供養塔参りを行いました。
多比良 三会
田町
安中 須川
南有馬
普賢会会員が各地の供養をまわり、最後に布津町内にある供養塔前に集合して
皆でお勤めしました。
この地は津波が57Mの高さまで溯上したといわれる場所です。
ちなみに、うち(妙法寺)は標高58M。近隣の標高57Mを線で表したのが下の図です。
各地の供養塔も、現在でも4月1日に、近隣の方々で慰霊祭を行ったり、
普段からお花のお供えをされているようです。
220年前に思いをはせ、後世のために残した供養塔。
存在自体を知らない方も多いので、
少しでもその想いを伝えていきたいと思います。
足跡・・・・何を残すか。
島原市・護国寺様の三十番神修復落慶法要が行われ、私も式衆として参加させていただきました。
130年ぶりの修復事業だったそうですが、御尊像、厨子は見事に修復され、
番神堂に入ると、そのご威光から30体の番神様がこちらに迫ってくるかのようなオーラがあります。
またお天道様、満開の桜が番神様の蘇りを祝福しているようでした。
境内には檀信徒による出店もあり、堂内・境内はたくさんの人でごった返していました。
法要で寺院代表のお上人様から、「生きている間に何を残すのか?その足跡が大事である」と祝辞の中で
おっしゃられました。
護国寺御住職をはじめ、檀信徒や多くの方の力添えによって成し遂げられた今回の事業。
そこには、後世に伝えるべく、今何をすべきかを考えて行動された結果であり、
そこに賛同された皆さんの想いの結晶だと思います。
未来の果を知りたければ、現在の因をみよ。
どんな足跡を残すか、その歩み方を考えさせられました。
無双太鼓(布津)奉納演奏もあり、勇壮な太鼓の響きに、番神様も喜んでいらっしゃると思います。
5年に及ぶ事業の無事円成を皆さんでお祝いしました。
彼岸法要を行いました
全国的に寒くなった春分の日、当山でも彼岸法要を行いました。
冷たい雨が降るあいにくの天気でしたが、
足元悪い中、たくさんのお参りを頂きました。
有難いことです。
彼岸法要・施餓鬼法要の中で和讃奉納、法話を行いました。
法話では約220年前に起きた「島原大変」の話から、
島原藩内に当時建てられた供養塔の存在、今でも命日である4月1日に
地域で供養祭が行われていること、
若手僧侶で行脚しながら供養を行っていたことなどを紹介し、
伝えることの大切さと、今日まで先師が伝えてきた仏教、法華経、お題目と
縁を結んだ尊さをお話ししました。
年配の方でも、供養塔の存在を知らない方が多く、
紹介したことで、再認識していただければと思います。
彼岸は日願とも言っていたそうです。
お日様=太陽に作物の成長と実りを願う春季彼岸でもあります。
作物の出来も天候次第。
雨ももちろん大事ですが、改めてお天道様の偉大さを感じた彼岸法要でした。
早いもので・・・
早いもので、長男が小学校卒業を迎えました。
朝から嵐のような天気で心配しましたが、
式前には雨も上がり、少し寒かったですが、
無事に卒業式を終えることができました。
小規模校ではありますが、国歌、校歌、別れの言葉、
送る言葉など、体育館中に響く大きな声にびっくりしました。
過ぎてみれば、あっという間の6年間。
入学式のブログ
http://myouhoutemple.jugem.jp/?eid=128
大きく成長しました。
様々な行事がありましたが、どれも素敵な思い出です。
夜は先生方も含めての謝恩会。
思い出DVDや写真、6年間それぞれの担任の先生からの
言葉など、想いで深い時間となりました。
先生方、同級生の保護者の皆さん、
お世話になりました。
ただ、私はしばらく残りますが、
4軒の方が小学校最後で育友会卒業は淋しい限りです。
6人という少ない仲間でしたが、
その分仲よく、絆は深いと思います。
中学校に行っても、益々頑張ってもらいたいですね。
入寺式のお手伝い
県内寺院の法灯継承式(住職交代)お手伝いに。
その場所は・・・壱岐。
今から16年前になりますが、
元寇700年を記念して壱岐に建立された
日蓮聖人銅像の前で青年僧で法要を行った際、
お世話になったのが島内の「霜田寺」様
以来、本堂の落慶法要に出座したり
数年前にも壱岐を訪れた際にお邪魔したりしていました。
今回、法灯継承式ということで、
県内有志の僧侶で、お手伝いに来た次第です。
大村からの飛行機組と、唐津経由のフェリー組に分かれての参加。
私はフェリー組で参加。唐津から1時間40分の船旅でした。
前日準備では、堂内の飾りつけ、法要打ち合わせなどを行い、当日に備えます。
今回は法灯継承式とともに、日蓮聖人銅像の遷座式を行います。
もともと、観光会館脇に建立され、多くの方が参拝されていましたが
時代とともに、周辺の環境も変わったため、
今回、霜田寺様境内に隣接して遷座されました。
準備もひと段落し、あとは明日の天候を願うばかりです。