副住職日記

2013-07-23 23:29:00

頓写会 ~写経奉納~

 熊本・本妙寺にて毎年「頓写会」という行事が開催されます。
加藤清正公の1周忌に、当時の住職、高麗日遥上人が、供養のため法華経を1夜にして写経し奉納したことに始まります。詳しくは本妙寺HP

本妙寺第32世のお上人が出生地である布津に建立されたのが当山の始まりということもあり、本妙寺とはご縁のある寺院です。そこで、今年から、当山で写経して頂いた法華経を、本妙寺様へ奉納することといたしました。

本来ならば、頓写絵の当日、その場で写経をするのがいいのかもしれませんが・・・・
いずれは檀信徒の皆様と一緒に参加して、写経を行いたいと考えています。


とりあえずは、年間に当山で写経していただいた法華経を奉納することにいたしますので、
時間がありましたら、是非写経にご参加ください。

※1枚約30分ぐらいで書写します。
2013-07-06 22:17:00

今月の信行会

 毎月の信行会を開催しました。
梅雨で天候も悪い中、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

今月もお経練習と和讃練習、法話を行いました。

今月は日蓮聖人の「上野殿母尼御前御返事」
ご供養に対するお礼のお手紙なのですが、日蓮聖人の優しさ、思いやりが詰まったお手紙です。ご自身が病気を患い死期が近いことを感じながら、御主人や息子と死別された上野殿母尼に対し、供養の品々に対するお礼はもちろん、花や雪などの自然は巡回を繰り返すのに、亡くなった方は息を吹き返さない無常を嘆かれ、ご自身が先に亡き息子さんに会うだろうから、その時はあなた(上野殿母尼)の悲しみを伝えますね・・・・と 読むたびに涙が込み上げてきます。

当時、筆、墨、紙は貴重なものだったでしょう。そのお手紙を大事にされていた檀越、弟子、信者の方々。私たちは残されたそのお手紙から、当時の心情や日蓮聖人の教えを受けることができます。
もちろん、後世の方がどう受け止めるかが大事ですが…
2013-06-05 13:52:00

記憶をつなぐ

平成3年6月3日、当時聞きなれない大規模な「火砕流」が発生し、43名の尊い命が奪われた普賢岳噴火災害から22年。
今年、23回忌を迎え、島原市仏教会主催の慰霊祭に出仕しました。

当山は市内ではありませんが、檀家さんの中にこの火砕流によって犠牲になられたご夫婦がいらっしゃり、年忌ごとに仏教会の方々とご一緒にお勤めさせていただいております。
午前中、その夫婦の法事を行ったのですが、お二人ともまだ行方不明のまま。そのため、仏壇にはお二人が作業していたであろう「タバコ畑」の石をお祀りされています。

お昼ごろに、ちょうど県日蓮宗青年会のメンバーと一緒にお勤め、ご回向。報道関係者が撮影ポイントとしていた通称「定点」と呼ばれるその場所で、多くの方が犠牲になられました。

メンバーの中には、初めてこの場所を訪れたもの、噴火災害事態を知らないもの、同じ県内で起こった災害といえど、当事者でなければなかなか記憶に残らないことがあります。後世に伝えることが大切だと実感しました。

その場所からは、平成新山の頂上、そして、高くそびえ今にも崩れそうな溶岩の塊が真正面に見えます。
「あっという間の出来事だったんだろうなぁ」 


午後からの法要では、遺族、報道、消防関係者など多くの方が参列されていました。発生時間にサイレンと共に黙祷。それぞれの合掌、祈りの中に様々な想いがあるとお思います。
そのなかに、消防団員の父を亡くした当時2歳の方が、子供を連れて参加されていました。父親としての想い、家族や子供に対する想い、その立場になって気付かされる思いがあると話されたいたのが印象的でした。

当時、私は高校生。高総体のまっただ中で、学校も午前中で終了し、たまたま帰宅していました。
午後4時8分、ゴロゴロと地鳴りがしたかと思うと、空一面を真っ黒い雲が多い、
辺りは真っ暗になり、焦げ臭いにおいが充満したことを覚えています。
火砕流なんて、当時誰も知らなかったし、夜になると家からは真っ赤に流れる溶岩が見えていまし。
珍しいこともあって火砕流が起きるたび、見物のため足を止め、車を止め、
マスコミも取材合戦が盛んでした。
そんな時発生した大火砕流。テレビをつけると、怪我をした人が次々と運ばれる光景が目に入り、市内の寺院は遺体安置所となった所もありました。
その後、道路も鉄道も遮断され、高校へは船で通学し、噴石に備え、毎日ヘルメット持参の登校をしていました。


(火砕流で焼失した、旧 大野木場小学校)

あれから22年。地形は変わり、山は緑が増えてきたように思えます。しかしながら、元に戻ることはもっと時間のかかることです。
時間と共に忘れつつある記憶。何も知らない後世に伝えることが私たちの使命であり、亡くなられた方への供養になると思います。
2013-06-01 23:27:00

6月の始まり

 梅雨に入り、雨が続いています。
季節の変わり目は、何かと変化がある時。
体調にも十分注意しましょう。

さて、今日は信行会でした。
1日にあると、早く感じるのは私だけでしょうか?

今月は次の御遺文の一説をご紹介しました。

一切衆生を悪道に導びくこと、人師の苅(あやまり)によれり。例せば国の長とある人、東を西といゐ、天を地といゐだしぬれば、万民はかくのごとくに心うべし。後にいやしき者出来して、汝等が西は東、汝等が天は地なり、といわばもちうることなき上、我が長(おさ)の心に叶わんがために、今の人をのりうち(罵打)なんどすべし。ー報恩抄ー

師、人々を導く者が正しい見識、教えを身に着けていなかったならば、人々を間違った方向へ導き、ひいては、地域、国のあり方まで変えてしまう危険性があります。リーダーシップが求められる今、
先頭に立つ者はもちろん、家庭、地域においても一人一人の正しい考えた方、意識の持ち方が問われています。他人任せではなく、一人一人の自覚が、この地域、国を浄土にするのか穢土になるかに関わってきます

天の恵みに感謝しながら、自分の行動・言動を律したいものです
2013-05-11 19:30:00

地鎮祭を行いました

今日は地鎮祭を行いました。
朝からあいにくの空模様。

しかしながら、工務店さんたちが
テントを用意してくださったおかげで、無事に勤めることができました。


場所はお寺の真ん前です。
ご近所様ができました。どうやら住宅街になりつつあります(笑)

地鎮祭の時の雨は、土地を清め流すための甘露の雨でしょう。
工事の安全と、ご家族の家内安全・家運隆昌を心からお祈りいたします。