副住職日記
2013-07-24 17:02:00
一切経の千日詣り
雲仙に一切経という場所があります。お堂と滝があるのですが、
行基がこの地に籠もって、一切経を読み、百日間の水垢離をとって、大宝元年(701年)雲仙の古湯の地に「満明寺」を創建したとの伝承があります。ちなみに現在の満明寺は、雲仙市・一乗院の分院「一乗院釈迦堂」から満明寺と寺号公称しており、母の実家でもあります。元の歴史を辿れば1300年ですから、すごいですね。
また、伝承によれば、行基が水垢離をして一切経を書写し、この地に埋めたため、「一切経の滝」と名付けられたとも言われています。
旧6月17日、毎年「千日詣り」が開催されます。この日に参詣すると千日お参りしたことと同じ功徳が頂けるというありがたい日です。
今年は初めて息子と共に参詣しました。
国民宿舎「青雲荘」の裏手にある入口から歩くこと約10分。観世音菩薩を祀ったお堂があります。この日は多くの信者さんが参詣され、僧侶が護摩を焚き、祈祷を受け、お堂は溢れんばかりの人でした。
お堂を過ぎると、滝があります。ここで水行されたのかと思うと、気持ちが引き締まります。
現在でも水行場は別にあり、着替えをする部屋もあって水行(修行)を行うことができるようです。夏場はいいですが、冬の雲仙、しかもこの地はそれなりの覚悟がないとできないでしょう。
日蓮聖人像もあります。
お堂までの途中、「三鈷の松」がありました。
普通の松は葉が2本ですが、ここにある松は3本。高野山にあった三鈷の松を、こちらの修行場にも移植したそうです。
以外にも地元の方は、この一切経の存在を知りません。是非一度、御参詣ください。ただし、
あくまでも山奥なので、一人ではいかないでくださいね。