副住職日記

2013-02-27 21:23:00

信仰の相続

 先日、お檀家さん宅へ月回向に伺った時の話です。

「お上人、これどうしたらいいですか?」
部屋を片づけていたら出てきたというものを見ると、
行衣・御首題帳・輪袈裟でした。

行衣とは、お勤めや修行の時に着る白衣です。最近では滝行や水行中に着ているのをテレビで見かけますが、日蓮宗の行衣は背中の部分にお題目が書かれています。


御首題帳は、いろんなお寺へお参りに行った際、そのお寺の御住職から、お題目を執筆していただいたものを冊子にしたもの。

よく見ると、かなり年季が入っています。
「これは、自分の親父のものです。家庭の繁栄と体が弱かった姉(叔母)の当病平癒のために、始めたと聞いています。父が亡くなったとき、棺に入れようとしたが、見つけることができなかった。それが、最近姉の箪笥から出てきた」ということでした。

捨てるわけにはいかない・・・・・・・けど、自分の行衣や御首題帳は持っているので、2つはいらない。

いろんな思いがあるとは思いますが、父親が亡くなった年齢になった時に出てきたのも、何かを教えるため。だったら、ご自身の時に棺に入れていただき、お父様に届けたらいかがですか? 何時になるかわからないけど・・・・・とお話ししました。

自分たちの身体は、両親はもちろん、多くの先祖様から受け継いだもの。
見えないようで、自分に繋がっています
だったら、自分がすることが先祖様につながるし、逆もしかり。

見聞触知 皆菩提に近づく
        (開経偈)   
 日頃の全てが自分を成長させてくれます